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【書籍紹介】やはりマンションを“買う”のはリスクなのか? 「マンションスラム化」への懸念

やはりマンションを“買う”のはリスクなのか? 「マンションスラム化」への懸念マンションは、買うべきなのか、賃貸のほうがおトクなのか。買えば、長いローン生活が待っているが、その後は持ち物になる。賃貸ならば、持ち物にこそならないが、大きなリスクを背負うことはない。旭化成建材による「傾きマンション」が注目を集めている中で、買うべきかどうかで再び悩んでいる人もいるだろう。

止まらない高齢化と人口減少によって、日本のマンション事情は大きな局面を迎えている、と注意を喚起するのは『2020年マンション大崩壊 (文春新書)』(牧野知弘/文藝春秋)だ。本書によると、これからは空室が増え、「マンションスラム化」が起きるかもしれない。それは、2020年東京オリンピックのフィナーレが号砲になる、と予見しているのだ。

2024年。これは、団塊世代がそろって75歳以上…後期高齢者に到達する年である。元気だった団塊世代が、医療機関や高齢者施設に入る。結果、マンションの空室が増える。空室増は、さまざまな問題を引き起こす。マンションは、人と同様に年を経れば傷む。つまり、老朽化する。建物の老朽化は生活の利便性をそぐだけでなく、劣化をいっそう加速させる。このため、大規模修繕が必要になってくるのだ。

このとき、空室が多いと修繕費が足りない、という事態に陥る。資産価値はみるみるうちに下落。貧困層のみがとどまり、治安が悪化する可能性があるという。本書によると、スラム化は空き家率が30%を超えたあたりから始まる。国土交通省「マンション総合調査」(2013年)によれば、空き住居率が20%を超えているマンションの管理組合の比率はまだ0.8%にすぎないが、今の50代がすべて高齢者となる15年後には、マンション全体の7割程度の住戸が「高齢者が世帯主」という時代になる。当然、単身高齢者世帯の激増と共に、空室が一気に噴出すると予想される。

さらに、主に東京オリンピックの会場周辺となる「湾岸部のタワーマンション」について。現在、五輪景気を見込んで投資目的のバブルを迎えているといわれるが、本書によると、五輪終了までに「売り抜ける作戦だ」ともらす投資家が少なくないという。五輪後もタワーマンションブームは続いているのか、疑念が浮かぶ。

さて、このようにマンション事情が局面を迎えつつある中で、マンションは買うべきなのか、賃貸で済ませるべきなのか。本書によると、「基本的にマンションは“賃貸資産”として考えたほうがよい」。今の日本は“新築信仰”が蔓延しているが、じつはマンションという物件は、借りる側にとってまことに都合のよいものだという。転職や人生の目的など自分の変化、子どもの独立や離婚など家族の変化、地震や火事などの天変地異、「ヘンな隣人」や近所付き合いなどの近隣環境など、そのときに合った住居に“住み替えて”しまうのが、変化が激しい現代では得策。

家賃は「捨てるだけでもったいない」と考えるのではなく、住むための「必要コスト」として柔軟にわりきる。もちろん、そのエリアが好きで一生住み続けたい、そのためのお金や担保も十分にある、という人は所有権を取得するのもいいが、自分の将来がはっきりとイメージできていない人には、とくに賃貸暮らしを勧めている。

 

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