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木造の街並み 危機遺産 築地市場移転後「郷愁」を魅力に

木造の街並み 危機遺産 築地市場移転後「郷愁」を魅力に東京・築地に残る大正から昭和初期の約三十の木造建築が、緊急に保存・修復などが必要な「危機遺産」に選ばれた。これらの建築物は空襲や戦後の開発を奇跡的に免れたが、都中央卸売市場(築地市場)が来年秋に移転すると、開発が進んで失われる恐れもある。危機遺産を選定した「ワールド・モニュメント財団」(WMF、本部・米ニューヨーク)の関係者は、歴史ある建物を生かしたまちづくりを提案している。 (柏崎智子)

銀座の南に位置する築地地区(東京都中央区)は、南側の一帯を、世界最大級の水産市場として知られる築地市場が占め、市場の北隣には一般の人も買い物できる場外市場がある。地区の北側は十階前後の中層ビルやマンションなどが並び、木造建築は、そのすき間を縫うように点在している。

危機遺産の建物を探して地区を歩いた。交差点の角地に、外壁が緑青(ろくしょう)の銅板で覆われた二階建ての家屋があった。大正の末から昭和初期に流行した「看板建築」と呼ばれるスタイルだ。

ここで生まれ育ち、たばこ店を営む六十代の女性は、これまで何度も土地の売却を申し込まれたが、「売る必要ないから断ってきた」という。できれば残したいと考えているが、「東日本大震災では相当揺れて怖かった。永久にこのままとはいかないかな」。

一部の建物が危機遺産に選ばれた場外市場に入ると、低層の木造建築が軒を連ね、鮮魚店や飲食店がひしめく。昔懐かしい雰囲気だが、海産物販売の五十代の女性は「長屋のように一続きだった建物が部分的に売られて壊されたり、火事で焼失したりと、だいぶ変わった」と教えてくれた。

築地地区の木造建築をWMFに申請した一人で、建物の保存に詳しい工学院大の後藤治教授は「古い街並みの価値を知ってほしかった。それが築地市場移転後のまちづくりを考えるスタートになる」と話す。

 

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