
空家特別措置法に課せられた自治体の役目と司法書士の関係
空家対策特別措置法が2015年5月に完全施行してから、約4カ月が過ぎた。この法律によって、空家はどんな状態を指すかが定義されたり、空家の固定資産税の優遇処置をなくすなど税制上の措置ができたりという点に注目が集まっていた。
しかし、空家対策特別措置法の概要を見ると他にも色々な施策について定義されており、今回注目したいのが下記の点。
・市町村は、国の基本指針に即した、空家等対策計画を策定・協議会を設置
・法律で規定する限度において、空家等への調査
・空家等の所有者等を把握するために固定資産税情報の内部利用
・市町村は、空家等に関するデーターベースの整備等を行うよう努力
これらはまずはそれぞれの地方自治体がしなければならないことだ。
しかし、身近にもあると思うが放置された荒れた家。最後に住んでいた所有者が亡くなって、近所の人には誰がその家の持ち主か分からない。そんな状態の家が日本には増え始めている。こういう状態の家がたくさんあって、自治体の職員が1軒、1軒追跡調査していくのは、正直人手や専門的にも難しいところがあるといえる。そんな状態で本当に空家問題は前進するのか?
そうした空家対策の課題をサポートする存在として、「司法書士」について注目してみたい。司法書士は云わずと知れた相続や登記のエキスパート。実は、日本の空家問題に関してなくてはならない存在ともいえる。しかし、どういう風に関係があるのか分かりにくいところもある。今回、日本の司法書士を束ねる日本司法書士会連合会の理事の今川嘉典氏と理事の峯田文雄氏に空家と司法書士の関わりについてお話を伺ってきた。